眠りながら歩きたい ver.3

映画、ドラマ、小説、漫画などの感想や、心に移りゆくよしなしごとについて書きます。

12月21日(金)の日記

仕事場の忘年会であった。例によって例のごとく、淡々と飲み食いして終了。いつも虚しい気持ちになるだけだ。帰りに『げんしけん』13巻と映画秘宝を買って帰宅。

昨晩のBSプレミアムイノさんのトランク』は夫人のきみさん、長男の隆司さん、黒澤和子、土屋嘉男、上田正治、といった人たちの証言もまじえながら語られる、本多猪四郎黒澤明の交流についてのドキュメント。戦争から帰ってきてからずっと閉じられたままのトランクを開けるとそこにあったのは、きみさんからの、また黒澤明からの手紙であった。それが本多監督にとっての生きる縁であった、というのはなんとも泣けた。戦争というものが如何に過酷で精神のバランスを崩しかねない危険な状態に置かれるか、それを支え続けたのがそれらの手紙だったのだろう。他にも、本多監督がずっとつけていた日記には、プロデューサーから、女性映画の方が向いているだの、もっと派手に、みたいなことを言われたことが記されていたり、新ゴジラの設定が残されていたりと興味深い話が続き、そして何よりも終生の友としての黒澤との関係が微笑ましくも、時に厳しく語られて、涙なくして見ることは出来なかった。もっとちゃんと映画を観よう、と襟を正してしまった。買ったっきりまともに再生していないクライテリオンの『ゴジラ』もちゃんと見よう。