眠りながら歩きたい ver.3

映画、ドラマ、小説、漫画などの感想や、心に移りゆくよしなしごとについて書きます。

「お散歩ブック dairy a walk」 1月9日(水)の日記

子供の頃は素直にミッキーマウスが好きとかチェブラーシカが好きとか、編み物が好きとか、ビーズ刺しゅうが好きとか、男の子がそういうことを言っても、まあかわいいわねえ、で済む。年を重ねて行くうちに、野球とかサッカーとか、あるいはギターとか、女の子とか、という具合に好みが変化していけばいいのだが、中には可愛いものをいい年こいても可愛いと思ってしまう、たちの悪い年の取り方をするおっさん連中がいて、こういう人たちはあまりその好みを表に出すことは出来なくて、密かに可愛いものを見て悶絶していると思われる。あなたの横でなんてえこともない顔をして普通に暮らしているおっさんが、実は少女趣味なグッズを愛でているかもしれませんよ!にやにやしながら!もちろんそれがダメとか気持ち悪いとか、そういうことではない。ただ、その趣味を表明するのにはちょっと勇気がいるという話だ。なんだかんだ言っても、世間はそれほどおっさんのそういう趣味に寛容とは思っていないので。

ということで、杉浦さやかの『お散歩ブック daily a waik』(KKベストセラーズ、角川文庫版もあり)を読む。家の近所から海外まで、いろんなお散歩をカラフルでやわらかくかわいいイラストでもって50、紹介している。蚤の市とか、動物園とか、ミュージアムとか、子ども遊園地とか、明確な目的がある散歩の一方、月夜をみあげたり、雪が積もった朝に出かけてみたり、おしゃれなおじいさんおばあさんのファッションチェックしてみたり、街の中のなんでもない風景を愉しみとして切り取る、そんな散歩の形など、色々軽く語られてほのぼの、ほんわかと楽しい気持ちで読み終える。初版は1999年だから、杉浦さんも当時はまだ28歳。そんな若さゆえの楽しさ、軽やかさも感じてしまう。今ならもうちょっとしぶい感じになっているのかもしれない。最近のものもそのうちチェックしてみよう。

お散歩ブック―daily a walk

お散歩ブック―daily a walk