眠りながら歩きたい ver.3

映画、ドラマ、小説、漫画などの感想や、心に移りゆくよしなしごとについて書きます。

『ブラックマジックM-66』 感想

BS11で録画。

監督は士郎正宗(兼脚本・絵コンテ)と北久保弘之(兼構成・キャラクターデザイン)。この作品を初めてみたのは、読売テレビの『アニメだいすき!』で。録画して(しかも標準で!)、何度も繰り返してみた。因みに放送日は1988年3月29日だって。25年前…。そりゃ懐かしくもなるよな…。

48分というランタイムゆえに物語は非常に簡潔で単純。テストプログラムが入った状態の人型ロボットが標的を追いかける。それを阻止しようとする軍と、巻き込まれた形のフリージャーナリスト。という話だけを取り出せば、一体何度見ただろうというほどに語り尽くされたものだが、今みてもちっとも色褪せていないのは驚き。結局、話は重要ではないのだ。どう見せるか、ということが重要なんである。とにかく丁寧な作画が物を言う素晴らしさで、特にアクションシーンでは、スピード感、尋常ならざる動きの付け方、その一方で圧倒的な重量感が感じられるロボットの描写が卓抜。機械の固さと人間的な柔らかさを同時に備えた稀有なロボットで、他にもありそうで意外とないような気がする。しつこく、延々追いかけてくるのは『ウエストワールド』や『ターミネーター』同様ながら、それらに全くひけをとらないサスペンスで、殊にクライマックスのビル内、エレベーター内でのぎりぎりのやりとりなどはハラハラすること請け合い。今回の放送はHD化されたものでなくアナログな甘い画質だったのが残念だったけれども、これは是非とも高画質化されたものでまた再見したい作品だ。

ブラックマジック M-66 [DVD]

ブラックマジック M-66 [DVD]