眠りながら歩きたい ver.3

映画、ドラマ、小説、漫画などの感想や、心に移りゆくよしなしごとについて書きます。

クロノス・ジョウンターの伝説(アサミ・マート/ソフトバンククリエイティブ)をよむ

梶尾真治SF小説のコミック化。『木造迷宮』同様、スクリーントーンをほとんど使わず、明暗のはっきりしたシンプルな線で描かれている。ディテールやリアリティとは無縁の世界。『木造迷宮』も作家とお手伝いさんの極小空間だけで成立するもので、この作品も、一見スケール大きそうに見えるけれど、実は一人の男が愛する人を助けるために時空を越える、その繰り返しというやはり小さな、そしてとてもパーソナルな物語である。大切なのは、世界ではなく、愛するその人だけ、ということに終始するので、それ以外は、本当は描く必要もないということなのかもしれない…。まあしかしそれは好みの問題なのかもしれない。

読み終える頃には、いい話だったな…と思える作品でもある。時空を越える恋の話って外れがないね。

クロノス・ジョウンターの伝説 1 (Flex Comix)

クロノス・ジョウンターの伝説 1 (Flex Comix)