クロノス・ジョウンターの伝説(アサミ・マート/ソフトバンククリエイティブ)をよむ
梶尾真治のSF小説のコミック化。『木造迷宮』同様、スクリーントーンをほとんど使わず、明暗のはっきりしたシンプルな線で描かれている。ディテールやリアリティとは無縁の世界。『木造迷宮』も作家とお手伝いさんの極小空間だけで成立するもので、この作品も、一見スケール大きそうに見えるけれど、実は一人の男が愛する人を助けるために時空を越える、その繰り返しというやはり小さな、そしてとてもパーソナルな物語である。大切なのは、世界ではなく、愛するその人だけ、ということに終始するので、それ以外は、本当は描く必要もないということなのかもしれない…。まあしかしそれは好みの問題なのかもしれない。
読み終える頃には、いい話だったな…と思える作品でもある。時空を越える恋の話って外れがないね。
- 作者: アサミ・マート,梶尾真治(原作)
- 出版社/メーカー: ソフトバンククリエイティブ
- 発売日: 2010/02/11
- メディア: コミック
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