眠りながら歩きたい ver.3

映画、ドラマ、小説、漫画などの感想や、心に移りゆくよしなしごとについて書きます。

角川文庫版・横溝正史作品 コンプリートへの道


先日、ブックオフを覗いていて「金田一耕助の冒険2」と「悪霊島(下・イラスト版)」をみつけて購入。共に108円。読むとか読まないとかではない。ただもう、欲しい。最近、物欲を削ぎ落しているのだが、それでも角川文庫の横溝正史を欲する野望だけは、未だ枯渇していない。
喜国雅彦ではないが、ある日思い立って、探し出した。それがいつだったのか…。もうずいぶん前のように思う。もしかしたら、喜国氏の話を知って、集め出したのかなあ。ちまちまと蒐集して、残りは「悪魔の手毬唄」「横溝正史読本」「真珠島・獣人魔島」「悪霊島(表紙が映画版の方とシナリオ版)の6冊。「悪魔の手毬唄」は割合と見かけるので油断してまだ買っていない。「悪霊島」の映画版は、たまにみかけるが(だったら買えよ!と思うかもしれないが、そういうときは大抵、表紙が破れていたり、汚かったりするものなのだ)、シナリオ版は、とんとみたことがない。あとの2冊も、お目にかかったことがない。果たしてコンプリート出来るのだろうか。あ、だからといって高額な値がついているものを買おうとは思っていないのだ。あくまでも古本屋の店頭本なんかでみつけたいのである。
犬神家の一族」が公開されたのが、昭和51(1976)年。このとき小学3年生。ここから角川文庫の大量CM投下が始まる。その影響で、子供が内容も知らず手にしてしまうのが角川文庫であった、といってもよい(で、表紙のどぎつさ、エロさに怯むのである。エロさ、ということでは、夢野久作の「ドグラ・マグラ」が強烈だった)。実際に「犬神家の一族」を読むのが小学5年生のとき。テレビで「横溝正史シリーズⅡ」が始まり、怯えながら見て、興味が湧いたとおぼしい。それで手にしたのだろう。このときには、既に映画もみているので、思い出しながら読む感じだった。初めて読んだ大人の小説がこれだった、ということもあり、角川文庫には、他の文庫にはない思い入れがある。かつては、横溝とか、森村誠一とか、よく読んだなあ、と言う人は、古本屋で当時の角川文庫を手にして欲しい。独特の匂いが、まだ残っているから。あっ、これこれ!と思うこと請け合い。一気に、昭和にタイムトリップですよ。
数だけでいえば、あと6冊と、それほどでもないようだが、表紙が変更になっているバージョン違いもあって、単に集めればよいというものでもないんですよ。奥が深いと言えば深い。割とみつけやすいものでは、これとかね。

「本陣殺人事件」は、併録の「黒猫亭事件」の扱いが大きいカバーもあるからなあ。