これは貴重! ラジオドラマ版「黒後家蜘蛛の会」
アイザック・アシモフの短編ミステリーのラジオドラマ化。1981年にNHKで放送されたらしい。黒後家蜘蛛の会と呼ばれる紳士の集まり。ゲストを招いて話を聞き、奇妙な出来事を皆であれやこれやと推理するのだが、いつも答えは五里霧中。最後は、傍に控えるレストランの給仕・ヘンリーが鮮やかな推理を披露するという、ミステリ小説入門編として必ず名前が上がる有名作品である。
いくつかアップされていて、どれも単純ながらも、思い込みから来る盲点を突いた謎解きが愉しい、中でも「会心の笑い」は、えっ、と思わせる瞬間があって驚いた(原作は4巻くらいまでは読んでいるのだが、内容は全く覚えていないもので…)。
しかしながら聞いていてたまらないのは、レギュラーメンバーを演じているのが、納谷悟朗、中村正、小林修、大塚周夫、野沢那智、金内吉男、久米明という超豪華声優陣。ゲストの家弓家正もレギュラーメンバーに遜色なし。皆、脂の乗り切った頃なので声に張りもあるしキレもある。自分の声、演技に自信があるのが手に取るように判る、そんな勢いが感じられて聞き惚れてしまう。これはなんとか全音源を発掘して商品化してもらいたい。
今だったら、誰がやるんだろうなあ。山寺宏一、堀内賢雄、大塚芳忠、玄田哲章、立木文彦、大塚明夫…とか。ヘンリーは石田彰にやってもらおうかな。
「会心の笑い」は、1巻に収録。