眠りながら歩きたい ver.3

映画、ドラマ、小説、漫画などの感想や、心に移りゆくよしなしごとについて書きます。

「ららら♪クラシック」 「胸がキュンとなる名曲集」 感想

(1)ラフマニノフの愛、(2)チャイコフスキーの哀愁、(3)メキシコの小さな星。3つのお題による、加羽沢美濃の楽曲解説スペシャルということで、ラフマニノフ交響曲第2番第3楽章」、チャイコフスキー交響曲第4番第2楽章」と、印象的な部分の解説(セブンス、ナインスについてなど)とN響の演奏の模様が(ラフマニノフは、アンドレ・プレヴィンチャイコフスキーヘルベルト・ブロムシュテットのときのもの)。

3曲目の「メキシコの小さな星」というのは、ポンセの「小さな星」。元は歌曲。それをハイフェッツがバイオリン用に編曲して演奏したことで有名になったという…が、全く知りませんでした。というかハイフェッツを知らなかった。

出だしからして、悲しみと甘さがほどよく混ざった感じで胸に来る。番組では、加羽沢美濃のピアノと宮田大のチェロの演奏で。チェロだとバイオリンとは、趣が違っていて良かった。楽器が変わるのだから当たり前とも言えるけれど、別の世界観が広がるというか。バイオリンだと感傷の方が強い気がするのだが、チェロだと音が太く低くなるので、もっと深いところからの愛情を吐露するようで、無理して出す高音部に切なさがあふれる感じがする…と、気がするとか感じがするとか、完全に印象だけで書いているが、本当にそんな風に思えましたな(バイオリンがダメだとか、そういう話でないことは判ってください)。軽く演奏すれば、おそらく単なるイージーリスニングになりかねない曲なのに、そうなりそうでならない重さ…というかドラマ性を、この演奏には感じましたよ。

加羽沢さんがチラッチラッと、宮田さんを見ているようなところがあって、ゲスな勘繰りをしそうになったが、別の角度から映ると、実はその視線の先でチェロを見ているのだった。チェロ(と曲)への愛か!と思った途端に、なんだか純粋な音楽への愛情ようなものを感じてしまい、ぶわっと来てしまった。ゲストのマキタスポーツ、この演奏で思わず目をうるませていたが、それも判る。よい演奏でした。録画しておけばよかった。

イツァーク・パールマンの演奏。感傷過多な感じがいいなあ。

ヤッシャ・ハイフェッツの演奏。こうして比べて聴くと、あまり甘すぎない感じがしますね。

放送日(再放送)/2017.3.16.(木)/午前10:25〜55/Eテレ/