眠りながら歩きたい ver.3

映画、ドラマ、小説、漫画などの感想や、心に移りゆくよしなしごとについて書きます。

「都庁爆破!」 感想

監督/平川雄一

あらすじ
テロリストによって東京都庁がジャックされる。PTSDにより自衛隊を辞めた本郷(長谷川博己)の妻と娘の他、数十名の人間が人質に。テロの首謀者は、国際的なテロリスト集団IFのエム(渡部篤郎)。日本政府への要求が出される中、本郷は、偶然にも居合わせた旧知の仲であるCIAのケイン(吉川晃司)と共に、妻子を助けるために都庁へ向かう。

感想
東京都庁が爆破されて倒壊していく場面は結構衝撃的な上、エキストラを動員した大掛かりな撮影(名古屋市でロケ)、テロリストやSITの銃撃戦、吉川晃司の鮮やか過ぎるアクションなど、2時間ドラマとしてはなかなかの頑張り。が、「ダイ・ハード」的な展開や、GXガスという生物兵器や、オウムを連想させるラドンという組織の存在など、今の時代では少々無理がある。高嶋哲夫の原作が発表されたのは2001年で、その頃なら許容された設定も古びてしまったということか。ISを連想させるテロ組織や、小池百合子そのままの大池都知事(寺島しのぶ)や、現在の政治と世界情勢を取り込もうとはしているが、ドラマ自体の古めかしさのせいもあり、うまく機能させられていない。

気になったのは、消防隊員(和田正人)や、あまりと言えばあまりな総理大臣(リリー・フランキー)、本郷と馴染みの公安刑事(小澤征悦)、その他、人質たちのドラマがあまりに中途半端で放り出されているのだが、これはカットされていると考えていいのか。特に、都庁屋上に脱出用のヘリコプターがやってくるところ。首謀者を殺したあと、残ったチームの面々からどうやって人質を救出したのか。自衛隊がなんらかの活躍をしたと思われるが、全く触れられないまま終了。妊婦の早見あかりはどうなったのだろうか。

放送中から、視聴者からの激しい突っ込みが寄せられていたが、それも仕方なしな面は多いものの、とはいえ、このようなパニックドラマを作ろうとする心意気は買いたいところ。

脚本が3人いる、というところから、何かを推し量ってみるべきなのかもしれない。何やかやとトラブル的なものがあったのかも…。

ブルーレイ及びDVDは、もしかするとディレクターズカットかもしれない。