眠りながら歩きたい ver.3

映画、ドラマ、小説、漫画などの感想や、心に移りゆくよしなしごとについて書きます。

武田梨奈をみていて、ふとムーン・リーを思い出した

武田梨奈は、身長が(公称では)157センチと、決して背が高くは無い。あれだけ様になるアクションを放ちながらも、見た目は華奢だ。というところから、ムーン・リーへと連想が繋がったのだが。ムーン・リーの身長ってどれくらいだったんだろう。顔が小さいので、華奢に見えていただけなのだろうか?大柄ではなかったようには思うのだが…。でも当時の香港映画はミス香港並の美人が女優になる、というくらいの美女偏重主義なところもあったから、それなら身長もそこそこあったのかもしれない。というか、以下の映像を見ればわかるけれど、小柄ではないのは一目瞭然であった。

細くは見えるんだけどな…。「霊幻道士」で一瞬、胸の谷間がちらりと映るところがあるのだが、これがなかなかエッチだったけれど、寄せて上げていたのだろうか。

ネット上には色んな写真が上げられていて、あれもこれもとしばし検索してみてしまうな。しかし、可愛かったなあ。

日本での初お目見えは「五福星」のようだが、この映画もずいぶん見返していないので記憶が…。そのあと「チャンピオン鷹」「プロテクター」「霊幻道士」…と作品が並ぶ。でも注目されたのは「プロテクター」のときからではなかったか。その時点までの香港映画の女優さんというのは、ノラ・ミャオにせよアンジェラ・マオにせよ、当時の日本の女優やタレントとは顔立ちも雰囲気も違っていて、とっつきにくい感じが少なからずあったと思うのだが(極めて主観的意見だということは判っている)、ムーン・リーが出て来たときは、それを感じなかった。日本のタレントみたい…、と思ったから。そう考えると、あの頃はまだ、心の内に、香港映画への偏見があったのだろう。その偏見が打ち破られるのが、何を隠そう(隠さないけど)「プロテクター」だったのだが…。が、そのときはムーン・リーはさほど記憶に残らず、サリー・イップに心惹かれて撃沈したのだった。

彼女がアクション女優として名を成して行くのが「天使行動」なのは言わずもがなで、クライマックスの大島由加里との激闘は、世界のアクション映画シーンにおいてもベストバウトのひとつに挙げられてもいいのではないかと思うのだが。↑の映像集の中にも入っていたが…。

やはり凄いなあ。録画したビデオテープ、この部分だけを何度も何度も繰り返した見たものです。

そしてこれも有名な話だが、「群狼大戦」の撮影中、事故に見舞われる。

ムーン・リーは顔や腕に大火傷を負った。が、シベール・フーはもっとひどかったんじゃないかな。完全に火に包まれてる…。

しかしながら、その後もアクション映画への出演は続くのだから、気合の入りまくった女優道に恐れ入るばかり。でも割合早くに俳優業は引退状態だったようで、ウィキペディアによれば映画は94年頃、テレビもほぼ同時期にキャリアが止まっている。あまりヒット映画に恵まれなかったせいもあるのかな。ジャッキーあたりがもっと使ってくれたらよかったのだろうが…・まあ、エミリー・チュウの出番を「九龍の眼」でまるごと削除するような人なので、それも無理だっただろうとは思うけれど、そんなあり得たかもしれない可能性にも思いを馳せてしまうもの。そう考えるとミシェル・キングは本当にまれなケースなのかもしれない。

ムーン・リー、今はどうしているのだろう。今年50歳だって。いい年だなあ、と思ったが自分も大して変わらない。こっちは、とっくに頭髪は薄れまくり、白髪も増えまくり。ははは…。

↑これらは2007年に愛人スキャンダルで大揉めに揉めた頃の写真。心労が表情に出ていますな。もっと最近の物と思われる写真もあったけれど、それらはやけにケバい感じになっている…。この2007年当時の感じでは、しっとりした大人のドラマも演じられそうな儚さすら感じさせるのだが…。おそらく女優業に復帰することは、まずないだろう。今となっては、往時の美しさ、キュートさを思いながら、youtubeでアクションの断片をぼんやり眺めるのも、ひとつの幸せではある。夢、夢のあと…である。そして日本ではビデオ発売もされなかった彼女の90年代の作品群が、容易に字幕入りでみられるような、そんな奇特なDVDメーカーの登場や、洋画専門チャンネルの英断を期待しつつ…。夜は更けていくのであった。