眠りながら歩きたい ver.3

映画、ドラマ、小説、漫画などの感想や、心に移りゆくよしなしごとについて書きます。

全く覚えていない映画 その4 「避暑地の異常な夜」

昨日の続き。日記を漁ってみると、短いながらも、あらすじと感想をメモしているのをみつけた。それによると、放送は88年5月2日(月)、関西テレビ。1:35〜3:22AMとも書いているから、やはり深夜枠だったんだ。

以下、当時の簡単な感想。ネタばれしています

『なかなか魅力的なキャスティング。個人的に、本作をみてはじめて、カトリーヌ・ドヌーヴっていいなあと思った。が、作品それ自体はどうということもない、水準を少し上回るくらいの出来だった。

週末のドライブ中、暴走族3人にからまれて殴り倒され、気が付いてみると、妻と娘は犯されたあげくに殺されていたトランティニャン。警察の捜査と、トランティニャンの記憶で犯人らしい3人がみつかるものの、証拠がないため逮捕出来ない。妻の妹ドヌーヴと、一瞬の気の迷いで寝てしまったトランティニャンは、妻子殺しの暴走族をとっつかまえようと必死になる。そこへ、ドライブインのオーナー(?)、クロード・ブラッスールがからんできて…というお話し。

出だしの30分、暴走族にしつこく狙われる辺りは、音楽の効果もあって快調である。それ以降もテンポが崩れるということもなく、これという話しはないながらも、なんとなくみせるから、ジェラール・ピレスってのは下手ではないんだろう。ただ、お話が平凡なために損をしているし、真犯人がハナからなんとなくわかってしまって、クライマックスがあまり生きていないように思った。また、ドヌーヴのキャラクターもよくわからず。一体何だったんだろう。特にラストで去っていくところは「?」であった。

そんなにおもしろくはないが、ひどい出来ではない。』

ということだそうですよ、当時のわたしによれば。そんなにおもしろくはない、と書いているのだが、でもきっとこのときは、それなりに面白かったんだろう。だって、水準を少し上回るって書いているし。さらりと書いてるけど、結構凄いよ、水準を上回るって。ハードルが低すぎるのではないか、とも思うが…。「もう一度見たい映画」のくくりの方が良いかもしれないくらいには、見たくなってきた(ちょっとだけ)。ただ、感想を書いておられるサイトをみると、脚本がダメとか、イライラさせられるとか、よい評判はないようで。当時の自分を信じる気にはなれないし、再見するには、やはり躊躇するな。

レオノーラ・ファニについては何も記述なし。↓もしかして、出番これだけ?巻き込まれただけの可哀相な人、なのかな。ブラッスールの平手が本当に当たっているように見えるが…。ていうか、顔がはっきり映らないので(遠目だし、顔が髪で隠れ気味だし)、彼女がどうかが判断出来ず。似ている人、と言われたら、そんな気もしてしまう。

トランティニャンはほとんど異常者のようになっているのだろうと想像されるが、ショットガンぶっ放すところは、ここだけ切り抜くとかっこ良くみえるなあ。それこそ、普通にヴィジランテ映画として作られていれば、もっと評判も良かったろうに…と思ってしまうのだが。監督のジェラール・ピレスは、異常で不条理な映画が撮りたかったのだろうか。でも、ずいぶんあとになるけれど「TAXi」とかの判りやすいアクション映画に向かっていくんだけど…。