眠りながら歩きたい ver.3

映画、ドラマ、小説、漫画などの感想や、心に移りゆくよしなしごとについて書きます。

「しんのすけ対シン・ゴジラだゾ」 感想


東京湾に出現した怪獣はゴジラ命名。上陸したゴジラはかすかべへと向かう。かすかべ防衛隊は、しんのすけの父・ひろしの靴下から作り出されたオヤジジェンオオキクナルヤー(死にそうになるほど臭いを発するひろしの靴下は、こんな中でも人は生きていけるのだと心を大きくさせ、それがさらに体をも大きくさせるという作用を抽出することによって作られた化学兵器)によってしんのすけを巨大化させ、ゴジラと戦わせる。さらに、一週間を経過して発酵が進んだ靴下の臭いの、やる気を萎えさせるという成分によって作られたオヤジジェンデストロイヤーを使い、かすかべ防衛隊移動要塞SP-X(いつもの幼稚園バス)は、しんのすけとの連携によって、ゴジラとの最終決戦に挑む!

普段の日常の話ではなく、かすかべ防衛隊が本当に、地域防衛のための組織(隊員は園児たちだが)として存在しているというシチュエーションの特別篇。オヤジジェンオオキクナルヤー、オヤジジェンデストロイヤーは、それぞれオキシジェンデストロイヤーを模した形なのがうれしく、ケースの中の球体部分がぶりぶりざえもんになっているのが可笑しい。特撮ファンとして嬉しいのは、巨大化したしんのすけが、ななこおねえさんと触れ合う場面。手に握る、乗せる、というのはキングコングっぽくもあるけれど、それよりも「フランケンシュタイン対地底怪獣」の団地の場面を思い出させる。そしてクライマックスは、SP-Xからオヤジジェンデストロイヤーがゴジラの口の中へ発射され(84年版ゴジラでスーパーXからカドミウム弾が発射されたかの如く)、熱線を吐こうとするゴジラのその口を、しんのすけのおケツで封じ込めるという、いかにも「クレヨンしんちゃん」らしい大胆な展開。吐き出せなくなったゴジラは、オヤジジェンデストロイヤーの前に敗北し、しゅるしゅる〜と小さくなってトカゲのようになってしまうのであった…。

ゴジラと対決する防衛隊という、怪獣ものらしい内容だった。もちろん、いつものようにギャグを満載しながらの通常運転でもあるところが楽しい。野原一家の32年ローンの家や、まさおくんの家、風間くんのマンションが、ゴジラに破壊されてしまう場面では「ああっ」と思いながらも笑ってしまった。この放送によって、視聴者である子供たちがどれくらいゴジラに関心を持つのかは未知数ながら、内容的にはなかなかの出来栄えだったな、と。面白かったです。不満を言えば、長谷川博己石原さとみにも出てほしかった、ということくらいですか。しんのすけたちと絡んでほしかったな、と。