眠りながら歩きたい ver.3

映画、ドラマ、小説、漫画などの感想や、心に移りゆくよしなしごとについて書きます。

「江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間」がDVD化

発売予定は2017年10月4日。

予告編。残酷な場面はないけれど、生理的にこういう雰囲気が苦手な人は避けた方がよろしいかも。

タイトルがタイトルだけに、封印作品としてカルト化した作品。乱歩の「孤島の鬼」をベースに、他の(特に「パノラマ島奇談)」作品の面白要素を組み合わせて作り上げられたという点で、「江戸川乱歩全集」というタイトルも嘘ではない。異常な物語であることは間違いないが、そもそも江戸川乱歩の描いた世界が異常ということであって、石井輝男だけが非難される謂れはないと思うのだが…。より派手に、過剰に、というのは確かにやりすぎかもしれないけれども。

初めて見たのは、なんばの千日開館で上映されたとき。石井輝男作品の特集上映で、「直撃地獄拳」と2本立だった。ついこないだのような気もするが、おそらく10年以上前だろうな。ラストでは、爆笑と拍手がおき、わたしもそのストレート過ぎる描写に思わず笑ってしまったが、その後DVDで(アメリカで発売された輸入盤)ひとりで見たときには、あまりの悲しさにしんみりしてしまったものである。冷静になって映画をちゃんと見たら、とても笑えなかった。

そしてなんと「残酷・異常・虐待物語 元禄女系図」と「やくざ刑罰史 私刑(リンチ)!」もDVD化。どちらもこれまた石井輝男作品。

予告編。残酷描写に耐性のない方は要注意。

画面に踊る、乗りまくった(やけくそかもしれないが)コピーというか惹句が(「不思議女優(カルーセル麻紀さんのこと)」とか、「成人必見」とか、「初主演 すべてを披露」とか)いちいち面白くて最後まで見てしまいますな。

予告編。これもまた残酷描写に耐性のない方は要注意。特に「やくざ刑罰史」は一番刺激が強いかも。

藤木孝さんが出てますね。今やっている「やすらぎの郷」では、有馬稲子を献身的に支える気のいい人の役だが、昔はこんなにギラギラしていたんだなあ…と感慨深い。それにしてもなんともえげつない酷い拷問と殺戮。特殊メイク技術としては稚拙でも、だからといって凄惨さはまるで減じない。異様に生々しい。でも一方のアクションの切れも凄い。ジョン・ウー石井輝男の映画が好きだったらしいけれど、こういうのをみると、確かにその遺伝子が受け継がれていったのだなあ、と思います。

今回の「恐怖奇形人間」のDVD化は、東映としては英断だと思われる。これをきっかけにして「ウルトラセブン」の「遊星より愛をこめて」や、「怪奇大作戦」の「狂鬼人間」などの封印が解かれるきっかけにならないかと、秘かに期待している。心配なのは、どこかの誰かの余計なひとこと。発売が中止になったりしませんように。それからアマゾンの対応も気になる。「食人族」や「猛獣大脱走」の扱いを中止にしているので、また同じことを繰り返す可能性がある。安心出来ません。