眠りながら歩きたい ver.3

映画、ドラマ、小説、漫画などの感想や、心に移りゆくよしなしごとについて書きます。

ゴジラVSデストロイア(1995)

監督は大河原孝夫
BSプレミアムで。

モスラ対ゴジラ」「地球最大の決戦」が公開されたのは1964年なので、かれこれ50年前の映画だった。そこまでいくと、風俗的な面でも、ドラマ上の無理でも、「昔の映画」という括りで、少々のおかしさも御愛嬌となりうるが、1995年といえば19年前。19年も前か!という言い方も出来るけれど、まだ中途半端に近い過去でもあるので、もろもろのちぐはぐした感じがまだ随所に残っている。それが今はチープに見えてしまうのだけれども、このチープさも、あと20年経てば懐かしく思えてくるだろう。その頃にまた再見出来る機会があればいいなあ。

劇中、一番盛り上がるのは、人間大に成長したデストロイアと警察特殊部隊との戦闘パート。人間と同サイズの怪物が戦うというシチュエーションは過去の東宝特撮映画にはあまりなかった趣向で、映画全体のバランスからいっても意外なほどに時間が取られている印象がある。屋外に出現した一匹に騒然となる様子は、「空の大怪獣ラドン」におけるメガヌロンの登場シーンを思い出させる。石野陽子が執拗に狙われる場面も、デストロイアのあまりリアルではない、作りものとしてのぎこちなさが、逆に異形の生物感を感じさせているようにも思えて、妙に生々しい。

クライマックスのゴジラデストロイアの激闘は、爆発と爆炎(煙)の凄まじさと、広大な特撮ステージでの大破壊が見どころで、ああ物凄い贅沢な画だなあ、と思いますね。公開当時は当たり前のようにみていた映像も、改めてみるとすごいなあ、お金かかってるなあ、としみじみと見入ってしまいますな。

小高恵美さんはもう女優業を再開することはないんでしょうね。こうしてみると、勿体なかったなと思います。同一キャラクターで連続して出演し、自分の仕事を最後までやりきった、ということでは、彼女こそ真のゴジラ女優と呼べるのではないかと。東宝芸能は、どうしてもっと抱えている女優をドラマなどに積極的に出演させないんでしょうかね。せっかくの東宝シンデレラも意味がないと思うんですが。

体調不良で降板した、細川俊之さんの姿がみられる特報が貴重。